yopi note

yopiのブログ

よぴのおと。

2023年に読んだ本など

年の瀬ですね。こんにちは。2023年はあまり本を読めませんでしたが、新しいことを勉強する一年でした。

 

縁の下のUIデザインー小さな工夫で大きな効果をもたらす実践TIPS&テクニック

昨年度はUXデザイン関係の本を中心に勉強をしていたのですが、UIデザインの力を強化するべくこちらの本を読みました。

私はリサーチエンジニアというポジションで働いており、デザインを主たる業務としていません。そのため、デザイン的な素養はあまり持ち合わせていなかったのですが、本書を通して少しづつデザインに対する理解を深められたのではないかと思います。

エンジニアサイドで少しでもデザインに理解を持ちたい方にはさらっと読めてしまうのでおすすめです。

 

因果推論の科学「なぜ?」の問いにどう答えるか

しばしば「Pearl 流」といわれる因果推論で有名な Judea Pearl の著書『The Book of Why: The New Science of Cause and Effect』の和訳です。仕事の都合で読む必要があったり、原著が出版されたときに興味があったりと、せっかくの機会ということで読むことにしました。608ページとかなりの分厚さで、読破するのに忍耐力が必要(数式もないため辛い)ですが、彼らが研究してきた因果推論の分野のこれまでの歴史が記載されており、非常に読み応えがあります。

因果推論の分野にあまり素養のない方は若干読みづらいかもしれません。一度、別の専門書等で一通り因果推論の考え方を習得した上で、本書を読み進めると読みやすくなると思います(数式での理解の方が得意な方はね。)

私自身は、What if で因果推論を勉強している身であるため、Pearl と Robins の昔話など、面白い話が書いてあり大変勉強になりました。時間がある時に皆さんもぜひ。 

 

統計学を哲学する

個人的に今年読んで一番良かった本です。本書では、統計学を哲学的な観点(意味論・認識論・存在論)から整理しており、一歩引いた立場で頭を整理することができたと思います。私はこれまで数理的な側面から一つ一つの数理統計学の分野を学んできましたが、分野の全体像が俄かに見えてきたような気がします。

特に興味深かったのは第5章の因果推論の内容です。因果推論はよく、 Rubin 流、Pearl 流、Robins 流などと呼ばれており、流派によって考え方が違うと言われています。私自身はあまりその違いを方法論の立場で曖昧にしか理解していませんでした。しかしながら、本書を通して少しだけ理解が深まった気がします。また、哲学的な観点から「因果」というものを眺めてみることで、その違いをより深く理解できるのではないかと期待させられました。

一度読んだだけで理解できたとは到底思えないのですが、内容はとてもおすすめです。統計関連学会連合大会2023では、著者の大塚淳先生が講演されていたのですが、科学について理解を深める非常に良い機会になりました。(ファンになった)

 

Javascript / Typescript 関係

社会人3年目となりフロントエンド周りの仕事をするようになりました。主要な言語やフレームワークJavascript, Typescript, React, Material-UI, React-Redux あたりです。その際に眺めた本は以下の通りです。基本的には軽く本を読んで雰囲気を掴んだ後は、フレームワークを使うためのドキュメントやAPI仕様を毎日読み続けました。特にMaterial-UI のドキュメントはどれだけ読んだかは分かりません。ドキュメントこそ至高。全人類、わからないという前にドキュメントを読め。


来年は何読む?

『現代哲学のキーコンセプト 因果性』を読もうと思います(というよりもう読んでいる)。本書を通して因果性に関する理解を深め、社内でも因果警察として頑張って参りたいと思います。


 

また、来年からは社会人博士になるべく、大学院の受験を行います。研究力・エンジニアリング力ともに伸ばしていきたいですね。

では。